妊娠中の肌荒れ‐かゆみが止まらない‐
妊娠中にかゆみに襲われる方がたくさんいらっしゃいます。
アトピーがあるわけでもないのに、かゆくてかゆくて仕方がありません。
妊娠していなければ、かゆみ止めの塗り薬をつけるのですが、妊娠中は怖いと思う方も少なくありません。
そもそもなぜかゆみが起こるのか考えていきましょう。

かゆみは、「引っ掻きたくなるような不快な感覚」と定義されますが、実は、かゆみは体を守る防衛反応のひとつです。
皮膚に異物が付いた際に、かゆみを感じることによって、異常が起きている場所を私たちに知らせ、その異物を掻いて取り除こうとする行動を起こすことから、かゆみは一種の生体防御反応であると考えられています。
最近の研究では、吐き気と吐くことに関係する仕組みと、かゆみと掻くことに関係する仕組みが似ていると考えられています。
どちらも異物を身体から取り除くという反応が似ているからですね。
かゆみの刺激は神経を伝って脳へと行き、感じます。
私が勉強した時は、『痛みの神経が感じる弱い痛みがかゆみである』と習いました。
痛みの神経はAδ線維、C線維を使って感じ、Aδ線維は鋭い痛み、C線維は鈍い痛みを伝えます。
同じAδ線維、C線維の中でも、かゆみを感じる別のAδ線維、C線維があると考えられています。
メカニズムを簡単に図にしてみました。

・皮膚に刺激が入る
・皮膚からかゆみ物質が出る or 肥満細胞からかゆみ物質が出る
・感覚神経のC線維(一部Aδ線維)を使って、脊髄、脳へと伝わる
という流れで、『かゆみ』を感じるのです。
かゆいとき、ボリボリ引っ掻いてしまいますよね?
掻いちゃダメといわれながらも掻いちゃいます。
もはやこれは反射ですが、引っ掻くとなぜかかゆみが軽減されるのです。
それはこういうことですね。
『かゆみは、痛みで抑制できる』ということです。
もちろん、その場しのぎの方法なので、引っ掻けばよいというわけではありません。
引っ掻くことで起こる悪循環も知っておきましょう。

あえて図にする必要はないかと思いましたが、一応載せておきます。
分かっちゃいるけどやめられません・・・。
バリアがなくなれば外部からのアレルゲンだけでなく、微生物、さらには寒さなどの刺激の影響も受けるでしょう。
ここまでは一般的なかゆみについて書きました。
これからは妊婦さんを中心に考えていきます。
そのためにはいくつかの特徴を知っておく必要があります。
・妊娠中は高温期である
・妊娠中は血液をたくさん作っている
・妊娠すると排泄力が低下する
・妊娠すると太る(皮膚が引っ張られる)
・妊娠中はホルモンバランスが普通じゃない
これぐらいを理解しておくと良いかと思います。
そもそも高温期ですので、体温が高く、37度を超えてくる人もいます。
つまり暑いので毛穴も開きやすく、発汗量が増え、皮膚の水分が減る可能性が高い。
血液を作っているので、全身の水分を持っていかれます。
つまり最優先は血液を増やすことで、そのほかの皮膚や髪の毛、腸、目、鼻、のどの粘膜から水分が取られる可能性があります。
妊娠すると赤ちゃんを外へ出してはいけないと、全体的な排泄力が低下し、溜め込む時期です。
むくみも気になるということで、水分補給を怠ってしまうと、老廃物がたまり、ドロドロし、皮膚をきれいな水が潤せないことが考えられます。
足や腕のサイズが急激に大きくなると、皮膚は引っ張られ、細胞の水分たちは外気にさらされ、水分を奪われます。
これもすべてホルモンの仕業です。
妊娠するということは、おなかの赤ちゃんが最優先であり、ママの皮膚の状態など後回しになってしまいます。
分からなくはないが・・・ママだって頑張っているんだ!!!

そこで対策を練りましょう。
かゆみを抑える方法として
・冷やす
・保湿する
・リラックスする
乾燥を防ぐ方法として
・水分補給
・急激に太らないようにする
ご自宅でできる方法とすれば、冷やすことと、保湿すること、水分補給です。
まずは、この方法を取り入れてみてください。
水分は、温かくなくても大丈夫です。
冷たくても、赤ちゃんには何の問題もないからまずは量を摂りましょう。
冷やすのも、先ほどの絵でも紹介したかゆみの神経は真皮という場所にあり、しょせん皮膚にあります。
皮膚を冷やすだけですのでご安心ください。
また、入浴するとかゆみが強く出ますのでご注意ください。
皮膚に神経ありますから、皮膚刺激はかゆみが出ます。
銀のすず